NFTガチャの見解から考慮するオンラインカジノの可能性

NFTガチャの見解から考慮するオンラインカジノの可能性

Web3ブームの一部としてNFTは外せない存在です。これは経済性と直結する分野だからです。当社もその動向には注目しています。NFTという言葉がバズって久しいこの頃ですが、気軽にNFTを扱える場所としてNFTゲームが流行ってきています。

NFTゲームはNFTをガチャで獲得できる仕組みがあることが多いです。ガチャ以外では歩いたら貰える、仮想の家を作って売買するというものもあります。

現状のNFTの謳い文句には夢がありますが、誇大広告な点もあります。例えば非代替性トークンという点です。「ブロックチェーンを使っているから唯一無二のデジタルデータですよ、だからこれはあなただけのものです」という説明があったりしますが、特定の環境(ゲームやマーケット)の中での所有権を証明するものであって、画像のようなデジタルデータそのものを複製できないわけではありません。そこはご理解いただければと思います。

NFTガチャにはオンラインカジノに近い側面があります。前提としてオンラインカジノは違法です。オンラインカジノとは「勝敗の結果の払い出しを運営元が直接行うこと」を想像する方が多いかと思います。これは賭博そのものです。しかし、NFTを介することで賭博罪には当たらないとされるビジネスモデルが増えてきました。

ガチャガチャ

NFTガチャも従来の法解釈だと賭博ではないかという見方が主流だったのですが、経済産業省は賭博罪の適用外であるという考えを否定しない、という柔軟な姿勢を見せています。(下記資料参照)

NBA Top Shot と類似したサービスの提供と賭博罪の成否について
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sports_content/pdf/005_04_00.pdf

国産のNFTガチャを単純に規制すると海外のサービスにユーザーが流れることが予想されます。それは日本経済にとって大きなマイナスとなりますので、時代に合わせた法解釈、ガイドライン作成、法改正を進めます、という経済産業省の意思表示だと思われます。まずは賭博の定義についておさらいしましょう。賭博罪に該当すると刑事裁判にかけられる可能性もありますので注意をする必要があります。

賭博の定義

  • 勝敗が偶然により決せられること
  • 財産上の利益の得喪を争うこと

NBA Top Shotが賭博なのかを掘り下げる

賭博の定義からするとNBA Top Shotは賭博なのではと思う方も多いでしょう。NBA Top Shotのモデルを経済産業省の上記資料から掘り下げていきましょう。いわゆるガチャによってトレーディングカードの画像などの獲得が出来るプラットフォームです。ブロックチェーンの技術によって所有権を管理しているのが特徴です。それを出品し販売することもできます。

財物を賭けその得喪を争うこと

まずは財物を賭けその得喪を争うこと、という点についてですが、ユーザーは財物の支払いによりNFTをDapper Labs社から買っていて、ユーザー相互間での損得は生じていないという解釈から、財物を賭けたその得喪には該当しないと解釈ができるのだそうです。

パッケージ商品を買っているしユーザー間の得喪は無い

ガチャの中身を売買できること

ガチャの中身を二次流通市場で売買できるという点から、ユーザー間に得喪がある状態、という見方があります。

しかし一次流通市場においてはユーザーが納得して購入したパッケージだから問題ない、二次流通市場においての価格変動は購入時に予測できるものではない、という点から賭博には該当しない、ということだそうです。

二次流通市場においての価格変動

これらは経済産業省が、これに近い考えで動いていきますよ、というメッセージです。つまり経済産業省は下記の方向性でNFTガチャ界隈の整備を考えていると思われます。これは風俗第4号営業のスキームに非常に近いです。

  • NFTガチャはOK
  • NFT売買市場の構築はOK
  • ユーザー間の損得がガチャで直接発生するのはNG

風俗第4号営業のスキーム

NFTガチャは風俗第四号営業に近いスキームとなっています。風俗第四号営業に準じているパチンコ店などが遊戯結果により商品を提供することは極めて合法です。風営法第4号営業の枠組みであれば賭博罪には該当しません。

ポイントとして風俗第4号営業の枠組みで提供した景品を提供元が買い取ることは出来ません。そのため景品はお店のパチンコ店の近くの古物商が買い取っています。これは業界全体が警察との連携など非常に多くの苦労があって構築してきたスキームです。

NFTガチャは風俗第四号営業の適用内か?

そもそもNFTガチャは風俗営業適正化法の定義から大きく外れているため、風俗第四号営業の適用外です。しかしそう遠くない将来、NFTガチャに対して風俗第四号営業のようなガイドラインが発出されるのではないかと期待されています。既に関係各所から意見書のようなものが出てきています。

ランダムガチャで獲得したものを流通させるプラットフォームであればひとまず安心してよい状況かと思います。逆にNFTガチャ運営元がNFTを直接買い取るのであれば賭博とみなされる可能性の高いプラットフォームと言えるでしょう。

NFTによってオンラインカジノは成立するか?

賭博にあたらない範囲内でNFTを提供するプラットフォームは増えていくと予想されます。それはオンラインカジノとは違います。

これらをただ禁止するだけでは海外のサービスに需要が流れてしまい、日本経済にとってマイナスになります。ガイドラインや法整備が妥当に行われることでNFTにより構成される1つの経済圏が出来る可能性があります。

ただし、現時点ではグレーな部分も非常に多いため、安易に関わるとお縄になる可能性があります。射幸心を煽るようなことが無いようゲーム業界などは慎重に対応を進めていますが、一部早いスタートアップをしている企業もあります。安全のため現時点での経済産業省の方向性について認識しておきましょう。

1.NFTをランダムガチャで販売すること ほぼホワイト
2.ランダムガチャで取得したNFTの流通市場を形成すること ほぼホワイト
3.NFTガチャ運営元がNFTを直接買い取ること ほぼブラック
4.プレイヤー間の駆け引きなど、競うこと ほぼブラック

3に該当するプラットフォームであれば規制対象として扱われて突然ゴミ同然になってしまう、なんて未来もあり得ます。プレイヤーとして関わりたい人もプラットフォーム提供を考えている人も慎重に行動されたほうが良いでしょう。

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この記事の執筆者

水野 博紀
水野 博紀
東京造形大学卒 木村情報技術 Web/DTP制作チーム所属

主にSEO、SEM、ブランディングを扱い、Web、DTP、UI構築など業務は多岐にわたります。
たまに新規システムや新事業に関わっています。

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