「大学のキャンパスを"まるごと"メタバース化」福岡大学と父母後援会が取り組んだ、日本初の次世代大学プロモーションとは?

2025年1月末、福岡大学のキャンパスを"まるごと"再現したメタバース空間が公開されました。舞台となったのは、世界的な人気を誇るオンラインゲーム『Fortnite(フォートナイト)』。そこで再現されたのは、みずほPayPayドーム福岡(以下、「PayPayドーム」)約45個分にもおよぶ広大な福岡大学のキャンパスでした。
これほどの規模でキャンパス全体をメタバース内に再現するのは日本初(※1)の取り組みで、その舞台裏には、大学の創立90周年に向けた福岡大学父母後援会の思い、加えて新しいチャレンジと教育機関としての未来へのまなざしがありました。
(※1)木村情報技術調べ
このプロジェクトを推進された、福岡大学 企画総務部総務課の楢﨑様にお話を伺いました。
ご担当者インタビュー

福岡大学 企画総務部総務課 楢﨑 貴志様
90周年を記念して、父母後援会が寄贈を検討
このプロジェクトのきっかけは、2024年7月頃、福岡大学が創立90周年を迎えるにあたり、父母後援会から「何か記念になるものを寄贈できないか」とお話をいただいたことでした。そのご意向を受けて大学側からご提案したのが、「福岡大学のメタバースキャンパスを寄贈とする」というアイデアでした。
最初は、「ゲーム?」「保護者が推奨してよいのか?」といった戸惑いの声もありましたが、Fortniteがいまや世界的に様々なシーンで活用されていること、教育現場での活用事例も増えていることなどを丁寧に説明しました。すると、その後はスムーズにご理解いただけて、「若い世代に福岡大学をもっと身近に感じて欲しい、知って欲しい」と賛同いただき、最終的には「ぜひやりましょう」と快諾いただけました。
福岡大学とメタバース活用の背景
大学からメタバースキャンパスを提案した背景には、福岡大学がすでにメタバース活用に取り組んでいた、という経緯がありました。
話は少しさかのぼりますが、福岡大学は令和5年度(2023年)、通常の入学式だけではわからない「福大の魅力」や「福岡の魅力」を新入生へ伝えることを目的として、通常の入学式とは別に「メタバース入学式」を開催し大きな話題となりました。また同年10月には、最新のデジタル技術を体験できるイベント『FUKUOKA DIGITAL DAYS 2023』に出展し、メタバースをテーマに大学の取り組みを紹介していました。
そのイベントで、木村情報技術さんと知り合いました。eスポーツやメタバースに関するプロジェクトの実績を持っている会社だと知り、「これは一度、学内でも聞いてもらいたい」と感じ、すぐに学内向け説明会をお願いしました。
Fortnite体験会で広がった「新しい大学の見せ方」
2024年4月、約30名の教職員を対象に、Fortniteやメタバースに関するプレゼンテーションと体験会を実施しました。体験会を通して、「これはゲームではなく、新しい大学の見せ方だ」という意識が徐々に広がり、この話題が学内で広がっていきました。
私たちとしても、少子化が進む中で、大学として新しい挑戦をする必要性を強く感じていました。その意味でも、このプロジェクトは非常に大きなチャンスだと捉えていました。

工学部建築学科とともに、リアルなキャンパスをデジタルで"再構築"
今回のプロジェクトでは、eスポーツやFortniteに強みを持つ木村情報技術さんに構築を依頼しました。
福岡大学のキャンパスは、PayPayドーム約45個分の面積があり非常に広大です。今回のプロジェクトは、その全てをメタバース空間でリアルに再現したことが、何よりの特徴です。木村情報技術さんによると、これほどのスケールでキャンパス全体をメタバース上に再現したケースは、日本初とのことです。(2025年6月現在)
モデリングの膨大な作業には、工学部建築学科の学生にも学びの場として協力してもらい、建物の図面や資料の収集、3Dデータを作成いただきました。
そのデータをもとに、メタバース上にキャンパスを再現してもらったのですが、実際には何度も修正と再構築を繰り返すことになりました。細かな調整も含めると、やり取りの回数は100回を超えていたと思います。
建物の構造や内観もできるだけ忠実に再現しましたが、リアルさを追求しすぎてしまうと動作が重くなってしまうため、見た目とパフォーマンスのバランスをとるのが本当に難しかったと感じています。

国内外から7,000名が体験、今後はさらなる利活用へ
公開から数ヶ月で、世界中から延べ6,000〜7,000人の方がメタバースキャンパスを訪れてくれました。Fortniteの世界ランキングでも"急上昇"として掲載されるなど、私たちが想像していた以上の反響がありました。また、福岡のテレビでも特集が放送され、話題となりました。率直に、「やってよかった」と思っています。
少子化が進むこれからの時代、大学が新しい伝え方や接点を持つことはますます重要になると考えます。今回のメタバースキャンパスは、そのきっかけの一つになると信じていますし、今後も多くの方に体験してもらえるよう、さらに活用の幅を広げていきたいと思います。
"世界中からアクセスできる"、福岡大学 メタバースキャンパスについて
① 福岡大学の広大なキャンパスをリアルに再現
西日本最大級の規模を誇る私立大学である福岡大学のキャンパスは、PayPayドーム約45個分もの広さがあります。これほどの規模でキャンパス全体をメタバース内に再現するというのは日本初の取り組みです。

②「60周年記念館(ヘリオスホール)」
この建物は、生涯現役で活躍された世界的建築家、槇文彦氏によって設計、メタバースキャンパス内でリアルに再現。
福岡大学のマップに入り正面に進んでいくと、壁が丸い形をした建物が見えてきます。その正面に到達すると、入口から中に入ることができます。

③ 半導体学習用ゲームコンテンツ
「半導体ってよく聞くけど、何?」という疑問を解消することを目的に、福岡大学の教授監修のもと作成。九州地域の半導体産業の盛り上がりに応じた内容です。
福岡大学のマップに入り、ロビーから半導体ゲームに進むと、スマホが分解される映像が流れます。それぞれの部品の場所を巡って、スマホ修理を体験できます。

メタバースキャンパスへのアクセス情報
- 公開日
- 2025年1月31日(木)
- ティザー動画
- https://www.youtube.com/watch?v=3nWZeXyj83M
- 公開用島コード
- 1466-5573-1075
- 島への直リンク
- https://www.fortnite.com/play/island/1466-5573-1075
- 島の紹介ページ
- https://www.fortnite.com/@kit_creator/1466-5573-1075
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