コロナ禍で注目を集める「オンライン学会」とは?

コロナ禍で注目を集める「オンライン学会」とは?

学者や研究者が一堂に会して、研究成果の発表や議論を行う場である「学会」。以前は、大学などのリアルの場で行われていましたが、現在は、Web上で行う「オンライン学会」が主流になりつつあります。そこで今回は、その背景と、オンライン学会の概要やメリットについて解説します。

オンライン学会とは?

「学会」とは、医学や薬学など、それぞれの専門領域の学者や研究者が自身の研究の成果を発表し、内容について議論・検討をおこない、研究内容を世に広く伝えるための場です。研究発表終了後には研究者同士の交流があり、そこでは研究テーマの見直しや、新たなテーマの発見に関する会話が交わされることから、分野全体の発展を目指す場ともなっています。

「学会」は、以前は大学の講堂やコンベンション施設、ホテルなどのリアルの場で、会場を貸し切って行われることが当たり前でしたが、現在は「オンライン学会」が多数実施されるようになっています。

オンラインで学術会議をするイメージ

「オンライン学会」は、言葉の通り、オンライン上(Web上)で実施される学会のことで、参加する学者や研究者はリアルの場に集まることなく、それぞれが自宅や研究所などからWebブラウザやオンラインミーティングツールを利用して参加します。

オンライン学会においても、研究成果の"発表"だけでなく、聴講者も参加して"議論"がおこなわれるケースがあります。そうした場合には、チャットツールや投票ツールなど、オンラインならではの機能を活用し、学会が進められていきます。

オンライン学会が注目される背景と「メリット」

メリットとデメリット

オンライン学会が注目されるようになった大きなきっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大です。そのため、2020年春以降、多くの学会がオンラインで行われるようになりました。
今後、感染状況がどのように変化していくかは未知数ですが、仮に収束したとしても、オンライン学会が「ニューノーマル」として、さらに活性化していく可能性は十分にあります。

その理由は、オンライン学会にはリアルの場で行われる学会(以下、リアル会場型学会)と比べて、多数の「メリット」があるからです。メリットについて、いくつか簡単に説明しましょう。

メリット 1:運用コストを削減できる

「オンライン学会」は「リアル会場型学会」に比べて、運用コストを削減することが可能になります。具体的に費用の内訳についてまとめると以下の通りです。

リアル会場型学会の運用コスト

主催者側 会場費、機材設備費、印刷製本費、人件費(事務作業雑費)など
参加者側 交通宿泊費、参加費など

オンライン学会の運用コスト

主催者側 オンライン利用費など
参加者側 参加費など

このように一覧にするとよくわかるように、「オンライン学会」では、会場を借りる会場費や、パンフレットを紙に印刷する印刷製本費などが不要になり、運用コストをスリムにすることが可能になります。

別の記事『オンライン学会の「種類(配信形式)」や「コスト」を詳しく解説!』では、コストについて、さらに具体的な数字を出して説明しますので、そちらもご参照ください。

メリット 2:参加人数の増加が期待できる

「オンライン学会」は「リアル会場型学会」よりも、参加人数の増加が期待できます。
その理由は大きく2つあります。1つは「会場のキャパシティ制限がないこと」、もう1つは「期間を長期にできること」です。

リアル会場型学会の場合

「リアル会場型学会」は、どれだけ大きな会場を借りたとしても、参加できる人数には会場の広さに応じた制限が生まれます。一方で、「オンライン学会」は、会場のキャパシティによる参加人数制限がないため、参加したい人は気軽に自宅から参加することができます。

また、期間に関しても、「リアル会場型学会」の場合は、週末の大学が休みの期間など、会場の状況を鑑みて、空いている期間に集中して行うことなどが一般的であるため、スケジュールが合わずに参加できない人がどうしても出てきます。

オンライン学会の場合

その点、「オンライン学会」は会場の状況を考える必要がなく、週末に限らず、平日も含めた長期開催が可能になり、参加する人数が増える可能性があるのです。

メリット 3:参加者の利便性が向上する

「リアル会場型学会」は、参加者が現地まで交通費を払って、時間をかけて出向く必要がありましたが、「オンライン学会」は、自宅や研究室・勤務先はもちろん、移動中であってもネット環境が整っていれば、パソコンやスマホから、いつでも簡単に参加することができます。

さらにリアルタイム配信だけでなく、録画も配信している場合は、参加者は自分の好きな時間に、24時間いつでも研究発表や議論の様子を見ることができます。

これらのメリットから「以前は会場までの出張費が下りなかったが、オンライン学会であれば参加できる」「家事と育児の合間に研究発表を見られる」「気になった研究発表を何度でもチェックできる」など、利便性が向上したというポジティブな声がよく聞かれます。

オンライン学会で「注意すべき点」

注意のイメージ

多数のメリットがある「オンライン学会」ですが、実際に開催する際は「注意点」がいくつかあります。

注意点 1:配信環境を整える

「オンライン学会」で何よりも重視すべき点は「配信環境」です。たとえば、通信の状態が安定していなければ、研究発表の途中で映像が止まってしまったり、音声が途切れてしまったりと、満足のいく学会を開催することはできません。 その他にも、パソコンやカメラ、マイクなど、配信環境を整えることが非常に重要なポイントになります。

注意点 2:配信のポイントを知らないと失敗しやすい

オンラインミーティングツールを使えば発表や議論を実施することはできますが、オンライン学会は「参加者の反応がわからない」「学会の醍醐味である他の研究者との交流ができない」など、臨場感や温度感に不満をもたれる可能性もあります。リアル会場型学会と比較しても魅力的で、満足度の高い学会にするためには"配信ノウハウ"が不可欠です。

以上のような「注意点」をふまえて、クオリティの高い「オンライン学会」を開催するためには、適切なツールやサポートを利用すると安心でしょう。

たとえば、木村情報技術のオンライン学会運用プラットフォーム「KIT-ON(キットオン)」は、オンライン学会専用のプラットフォームであり、学会の規模や期間に合わせて、オンライン化の導入から運用まで、オンライン学会の配信経験豊富なプロフェッショナルの専任スタッフが、はじまりからアフターフォローまで、ワンストップでサポートを行います。

大会のホームページ作成、参加登録システム、参加証明書発行、決済管理システム、視聴判定つき動画プレイヤーなど、満足度の高いオンライン学会を開催するための、さまざまな機能を用意しています。

木村情報技術 KIT-ON(キットオン)でできること

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この記事の執筆者

編集部
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木村情報技術の中の人です。
テクノロジーとアナログ力を結びつけた情報を発信します。

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